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2006年6月11日

codewriter

まぁ、笑ってばかりじゃ何なので、ちゃんとした指摘もしておきましょう。:-) 一番深刻と思われるところだけ。(他はお任せ:p)

http://blogs.itmedia.co.jp/tamaki/2006/06/post_57ab.html

「脱オブジェクト指向のススメ」 [雇われIT社長の乱心ブログ@ITMedia]

開発のスキルをUPさせるためには、とにかく、コードを書くこと。寝ても覚めてもコードを書くことです。そうしているうちに、いつの間にか、オブジェクト指向も身に着く(というか、その本質が何かに気づく)でしょう。

それは、ありえない。はっきり言いましょう、楽観すぎる。それに、この人は技術者ではないのだから(少なくともこの一連のblog記事を読む限り、技術トピックをいくつか知ってはいたとしても「こちら側」の人間では決してないよね)、そんな「向こう側」の人間がこの状況において「とにかくコードを書け」とは、一番言ってはいけない類の発言です。

この相談してきた若者は、勉強し直そうという意識があるくらいなのだから、この分野が好きか、意欲があって入ってきたものなのでしょう。そういう人間は、普通何も言われなくたってだいたい何かしらのコードは書いてるものです。仕事か趣味か、また規模の大小を問わず。それを汲み取れていれば、「とにかくコードを書け」なんて安易には言えないはずなんです。

またもし、不幸にして望みもしないのにこの世界に入ってきて、スキルセットも合わずに無為に過ごしてしまい、でもやっぱり「勉強しなおさなきゃいけない」と義務感で今の心理状態に居るとするなら、これ以上彼とこの分野の不整合を放置しあるいは進行させてしまう道理も無いでしょう。彼が本当に何をやりたいのか、じっくり検討させるのがまず必要です。

つまり、このいずれにおいても、むしろここでは「コードは書くな」と言うべきなんです。

コードを書くよりも、読む方が良い。それもできれば、「そのコードの裏にあるもの」を吟味する視点をもって。おそらくこれまで業務でコードを扱って中で、「なぜこんな実装になったのか」を説明する人が誰もおらず、また説明できたところでそのコードが原因で発生している深刻なバグを直すこともできず、それを彼自身どうすることもできないままただ無力感に苛まれる経験が多くあったのではないでしょうか。それが彼をして理論の再武装へと駆り立てることになったのではないかと....まったくの推測ですがね。;-) そんな状況でいたずらに「コードを書け」と追い立てたら、余計消耗させてok、そいつは使い捨てるぞと宣言するようなものです(とくに「向こう側」の人間がそれを言うということは!!)。

しかしコードを読むことは、「読めるコード」を書くことが如何に大変で、しかして重要なことかを教えてくれます。世の中に様々存在するOSSの、そのどれでもいい、大きすぎず、小さすぎず、自分の読める、興味の沸きやすい普段使うソフトのコードから読んでいく。「そのコードが一体何をやろうとしているのか」想像しながら読むことで分析の力も上がるし、そしてコードを読むことで自分の中でもより「良いコードを書きたい」欲求が刺激され、沸いてくるようになる。…「書くな」と言われていてもどれだけ「書きたく」なってくるか。ここがポイントです。コード書くのが好きで、意欲があるなら、やっぱりコード書く手を走らせてしまうものです。ここでそれまで読んだコードから摘み取ったものを、如何に自らの手にフィードバックできるか。これを考えながら書けるようになったら、また違うステップに進めると思います。(逆に言えば、読むだけ読んで書きたい気持ちが沸いてこないなら、あるいは読みたいとすら思わなかったら、何か別のところに問題があると見るべきでしょうね。)

一方でこうした作業は、ひとりでは限界があるものです。どんなに良い教材良いOSSを見つけてきたところで、それを読むことで良い経験値を得られるとは限りません。人間ひとりで持てる視野は限られています。本人の能力以前にそれは人間各個としての決定的な限界です。そこで、その先の大事なこととしてひとつ。大学なり専門学校なりで学び直すのも一つですが、しかして何よりも、どれだけ技術の話が分かって自分のスキルセットを認めてくれる、先達や仲間を見つけられるかどうかが勝負なのです。その意味では、学校で学び直す方針にしてみたところでこれに対する何らの保証はなく、根本的な解決にはなりません。むしろ学校では「実地での経験」を持たない人間ばかりになってしまう点で、今より後退してしまうおそれすらあります。

この若者の不幸は、つまるところ、心からの苦悩をぶつけたはずの相手がみなそれを汲み取ってやれず、「オブジェクト指向なんかうんこの役にも」などと頓珍漢な答えを返してしまう、無能な先輩や同輩?に囲まれてしまったことです。そこから抜け出す、という意味では学校に行きなおすのはむしろプラスになるかもしれない。ねえ?

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